10/31に伊波さんにインタビューしました!
インタビュー動画: http://www.youtube.com/watch?v=VyvzaReOEEQ http://www.youtube.com/watch?v=iBR7HaKoArQ
「ちゃーすが沖縄」意見交換会動画: http://www.ustream.tv/recorded/10553536
□政治を志したキッカケと、知事に当選したらどういう知事を目指しますか?
きっかけ:1996年の県議会議員選挙に初当選し、2003年には周囲の要望もあり、宜野湾市長選挙に立候補。そして当選した。今回の知事選も要望があったということもあるが、私自身、決断したのはやはり「沖縄の社会を変えたい、基地問題の解決や沖縄の将来に貢献したい」という気持ちがあったから。
目指す知事像:沖縄の主張がしっかりと見える知事になりたい。沖縄の政治は単なる地方の政治ではない。県民の声を受け止め、日本政府や米政府にしっかりと発言できる知事になりたい。
□沖縄県が抱えるワーストリストの中から改善すべき3つを挙げてください。
1.自殺率 2.学力 3.県民所得
□これら対する改善策を、伊波さんの政策と共に教え下さい。
1.自殺率
セーフティーネットがうまく作られていないことが問題。
自殺の原因として、うつ病などの病気や経済的な問題がある。病気に対してはしっかりとした医療対策を、経済的な問題に対しては助けを求める声をしっかり受け止め、経済的サポートをしていくことが重要。県民のための県政を実現しなくてはいけない。
2.学力
県を上げて進学校を作ったことは評価できるが、全体への対策が不十分である。上位だけでなく、下位の学力対策もするべき。小学校の時点でしっかり学力をサポートする体制が必要。
3.県民所得
県民所得は15歳以上だけで割ると最下位ではないが、44位。沖縄は近年人口が急激に増加しており(毎年約一万人)、15歳以下の割合が増えているが、仕事は約六千人分しか作れていないという現状があり、こうした結果となっている。このギャップをどう埋めるかが課題。
新しい産業構造への転換が必要。沖縄のどこでも仕事が作れる仕組みを作ることが重要である。そのために、第一次産業(農林水産業とその製造加工業)を政策的に推し進めていきたい。これらの産業は離島を含めた沖縄のどの地域でも可能であり、それぞれの地域性を生かした産業が可能である。同時に観光・情報産業も従来通り推し進める。
□教育政策、人材育成について。
文教厚生委員会に所属していた経験などから言って、沖縄県内の教育には以下のような問題がある。
1.教員の臨時採用率の割合がとても高い。これが学力低下につながっているので、この点を改める必要がある。
2.少人数学級への取り組みが不十分。将来的には小中学校のすべての学年において実施するべき。生徒の各段階でのつまずきを早い段階でフォローしていく。そうすることで自分で学びができるような人材をつくり、高校そして大学、専門学校、社会へ送り出したい。
3.国際化の時代の中で、アメリカだけでなく中国なども含めたアジア各国へ多くの学生を年100名単位で送り出していくべき。宜野湾では毎年留学生を送っているが、とても効果がある。これを県全体へ広げる。
□臨時採用が多いのは県の財源不足に原因があるとお聞きしましたが、正規採用を増やすといったときに、財源はどうするのですか?
優先順位の問題。やはり人材育成を第一とすべき。
単なる財源の問題ではない。現状に関してはなぜこうした状況になっているかを考えることが重要である。沖縄県は離島が多い。離島では全てを正規雇用にすると人事異動が大変だった。これが結果として臨時採用の増加につながった。こうした状況を許してきた県の行政のつけが今に引き継がれている。
□雇用に関して。全国最低の失業率。具体的にわかりやすく魅力的に、これから生まれてくる仕事をお聞かせ下さい。
農林水産業・加工業を4年間の間にしっかりと作っていきたい。
普天間飛行場の跡地利用に関してはこの7年間で計画を作っており、だいたいできている。
普天間基地で働いている沖縄の人はおよそ200人。海兵隊は2000~3000人いる。この跡地にはおよそ32,000人分の多様な雇用が生まれる。大学での学びを活かせるような職種もその中に含まれている。普天間に限らず、最初に話した第一次産業推進の目的は沖縄のどこでも仕事が作れる状態を作ることである。
□ニューディール政策や、離島などの産業振興以外の政策についてもお聞かせ下さい。
沖縄は財政的に厳しいため、一定の額を超える事業をストップするというようなことが行われている。この取り組みが建設業界などに大きな影響を与えている。
「生活密着型」と「自然再生型」の公共事業を柱とする沖縄版ニューディールを実施したい。
―生活密着型―
小中学校の改築工事など。昭和55年の建築基準法改訂による耐震基準の制定に基づいて、こうした工事が行われている。こうした工事を意識的に積極的にやっていけば、かなり雇用が生まれる。これらを沖縄版ニューディールと呼んでいる。
―自然再生型―
例えば、直立護岸は波しぶきを作るので、内陸部の植物を枯らしてしまうため、必ずしも良いものではない。これをより自然環境にやさしい自然護岸へ作り変えていく。こうしたことを「環境再生型の公共事業」として実践していく。新たな分野の取り組みを進めると同時に、これからも伸びゆく観光・情報産業にももちろん積極的に取り組み、仕事を増やしていきたい。
□基地問題に関連する沖縄県の政府やアメリカとの関係構築について。
沖縄の基地は1945年の沖縄戦の中で作られた。
アメリカは戦後の冷戦に向けて、戦前から基地を作ろうとしていた。
戦後、基地を造りやすくするために、県民の土地や財産を強制的に戦争の中で破壊し、住民を追いやって作っていった。これ自体国際法違法である。
50年代になり、日本本土から海兵隊が来るに当たって、宜野湾市の伊佐や伊江島など、土地を強制接収し、基地を造っている。本来、国際法上許されないことであるため、回復を求めることが大変重要であると認識している。
アメリカの中でも既に、「世界からアメリカ軍の基地を撤退させるべきだ」との声もあがっており、アメリカの戦略にも入っている。沖縄の海兵隊もグアムへ行く流れが決まっており、7000億円を出して送る合意が日本政府との間でできている。辺野古の約束もしているから、今の問題につながってしまっている。
□沖縄の若者や市民へのメッセージ
これからは若者の皆さんの時代であり、我々がその可能性をしっかり引き出し、活躍できる場を作っていきたい。小泉内閣が「規制緩和」の名の下に作り出した契約社員や短期派遣などが、若者にとっては絶望的な状況を作ってしまったように、政治は大きな影響を与える。対極的な取り組みをしているオランダなどの国もある。つまり、「政治は、根本的に社会や国のありかたを変えられる」ということを理解してほしい。20歳以上はより政治意識を持って、1票を行使することを常に心がけることが大事である。
□大学生へのメッセージ
様々な職場にチャレンジすべき。積極的に自分の可能性をチャレンジしてほしい。沖縄となると公務員や、教員に集中しがちだが、これからはもっと視野を広く考えてほしい。成功している事例のある製造業にもチャレンジしてほしい。チャレンジすることに対する支援がない、失敗したら復活できないのが日本の社会の問題であると考える。新規学卒を見直すなど動きがあるが、社会全体の柔軟性を見直したい。沖縄県においても制度・仕組みを作っていきたい。
インタビュー動画: http://www.youtube.com/watch?v=VyvzaReOEEQ http://www.youtube.com/watch?v=iBR7HaKoArQ
「ちゃーすが沖縄」意見交換会動画: http://www.ustream.tv/recorded/10553536
□政治を志したキッカケと、知事に当選したらどういう知事を目指しますか?
きっかけ:1996年の県議会議員選挙に初当選し、2003年には周囲の要望もあり、宜野湾市長選挙に立候補。そして当選した。今回の知事選も要望があったということもあるが、私自身、決断したのはやはり「沖縄の社会を変えたい、基地問題の解決や沖縄の将来に貢献したい」という気持ちがあったから。
目指す知事像:沖縄の主張がしっかりと見える知事になりたい。沖縄の政治は単なる地方の政治ではない。県民の声を受け止め、日本政府や米政府にしっかりと発言できる知事になりたい。
□沖縄県が抱えるワーストリストの中から改善すべき3つを挙げてください。
1.自殺率 2.学力 3.県民所得
□これら対する改善策を、伊波さんの政策と共に教え下さい。
1.自殺率
セーフティーネットがうまく作られていないことが問題。
自殺の原因として、うつ病などの病気や経済的な問題がある。病気に対してはしっかりとした医療対策を、経済的な問題に対しては助けを求める声をしっかり受け止め、経済的サポートをしていくことが重要。県民のための県政を実現しなくてはいけない。
2.学力
県を上げて進学校を作ったことは評価できるが、全体への対策が不十分である。上位だけでなく、下位の学力対策もするべき。小学校の時点でしっかり学力をサポートする体制が必要。
3.県民所得
県民所得は15歳以上だけで割ると最下位ではないが、44位。沖縄は近年人口が急激に増加しており(毎年約一万人)、15歳以下の割合が増えているが、仕事は約六千人分しか作れていないという現状があり、こうした結果となっている。このギャップをどう埋めるかが課題。
新しい産業構造への転換が必要。沖縄のどこでも仕事が作れる仕組みを作ることが重要である。そのために、第一次産業(農林水産業とその製造加工業)を政策的に推し進めていきたい。これらの産業は離島を含めた沖縄のどの地域でも可能であり、それぞれの地域性を生かした産業が可能である。同時に観光・情報産業も従来通り推し進める。
□教育政策、人材育成について。
文教厚生委員会に所属していた経験などから言って、沖縄県内の教育には以下のような問題がある。
1.教員の臨時採用率の割合がとても高い。これが学力低下につながっているので、この点を改める必要がある。
2.少人数学級への取り組みが不十分。将来的には小中学校のすべての学年において実施するべき。生徒の各段階でのつまずきを早い段階でフォローしていく。そうすることで自分で学びができるような人材をつくり、高校そして大学、専門学校、社会へ送り出したい。
3.国際化の時代の中で、アメリカだけでなく中国なども含めたアジア各国へ多くの学生を年100名単位で送り出していくべき。宜野湾では毎年留学生を送っているが、とても効果がある。これを県全体へ広げる。
□臨時採用が多いのは県の財源不足に原因があるとお聞きしましたが、正規採用を増やすといったときに、財源はどうするのですか?
優先順位の問題。やはり人材育成を第一とすべき。
単なる財源の問題ではない。現状に関してはなぜこうした状況になっているかを考えることが重要である。沖縄県は離島が多い。離島では全てを正規雇用にすると人事異動が大変だった。これが結果として臨時採用の増加につながった。こうした状況を許してきた県の行政のつけが今に引き継がれている。
□雇用に関して。全国最低の失業率。具体的にわかりやすく魅力的に、これから生まれてくる仕事をお聞かせ下さい。
農林水産業・加工業を4年間の間にしっかりと作っていきたい。
普天間飛行場の跡地利用に関してはこの7年間で計画を作っており、だいたいできている。
普天間基地で働いている沖縄の人はおよそ200人。海兵隊は2000~3000人いる。この跡地にはおよそ32,000人分の多様な雇用が生まれる。大学での学びを活かせるような職種もその中に含まれている。普天間に限らず、最初に話した第一次産業推進の目的は沖縄のどこでも仕事が作れる状態を作ることである。
□ニューディール政策や、離島などの産業振興以外の政策についてもお聞かせ下さい。
沖縄は財政的に厳しいため、一定の額を超える事業をストップするというようなことが行われている。この取り組みが建設業界などに大きな影響を与えている。
「生活密着型」と「自然再生型」の公共事業を柱とする沖縄版ニューディールを実施したい。
―生活密着型―
小中学校の改築工事など。昭和55年の建築基準法改訂による耐震基準の制定に基づいて、こうした工事が行われている。こうした工事を意識的に積極的にやっていけば、かなり雇用が生まれる。これらを沖縄版ニューディールと呼んでいる。
―自然再生型―
例えば、直立護岸は波しぶきを作るので、内陸部の植物を枯らしてしまうため、必ずしも良いものではない。これをより自然環境にやさしい自然護岸へ作り変えていく。こうしたことを「環境再生型の公共事業」として実践していく。新たな分野の取り組みを進めると同時に、これからも伸びゆく観光・情報産業にももちろん積極的に取り組み、仕事を増やしていきたい。
□基地問題に関連する沖縄県の政府やアメリカとの関係構築について。
沖縄の基地は1945年の沖縄戦の中で作られた。
アメリカは戦後の冷戦に向けて、戦前から基地を作ろうとしていた。
戦後、基地を造りやすくするために、県民の土地や財産を強制的に戦争の中で破壊し、住民を追いやって作っていった。これ自体国際法違法である。
50年代になり、日本本土から海兵隊が来るに当たって、宜野湾市の伊佐や伊江島など、土地を強制接収し、基地を造っている。本来、国際法上許されないことであるため、回復を求めることが大変重要であると認識している。
アメリカの中でも既に、「世界からアメリカ軍の基地を撤退させるべきだ」との声もあがっており、アメリカの戦略にも入っている。沖縄の海兵隊もグアムへ行く流れが決まっており、7000億円を出して送る合意が日本政府との間でできている。辺野古の約束もしているから、今の問題につながってしまっている。
□沖縄の若者や市民へのメッセージ
これからは若者の皆さんの時代であり、我々がその可能性をしっかり引き出し、活躍できる場を作っていきたい。小泉内閣が「規制緩和」の名の下に作り出した契約社員や短期派遣などが、若者にとっては絶望的な状況を作ってしまったように、政治は大きな影響を与える。対極的な取り組みをしているオランダなどの国もある。つまり、「政治は、根本的に社会や国のありかたを変えられる」ということを理解してほしい。20歳以上はより政治意識を持って、1票を行使することを常に心がけることが大事である。
□大学生へのメッセージ
様々な職場にチャレンジすべき。積極的に自分の可能性をチャレンジしてほしい。沖縄となると公務員や、教員に集中しがちだが、これからはもっと視野を広く考えてほしい。成功している事例のある製造業にもチャレンジしてほしい。チャレンジすることに対する支援がない、失敗したら復活できないのが日本の社会の問題であると考える。新規学卒を見直すなど動きがあるが、社会全体の柔軟性を見直したい。沖縄県においても制度・仕組みを作っていきたい。